大型 二輪 、一 本橋とスラローム、61歳パニック障害者の挑戦

車・オートバイ
driving school

私は、パニック障害でうつ病患者です。

オートバイ未経験者61歳の私が、大型自動二輪(MT)教習を受講して合格するまでに体験した事や、合格への対策について記載させて頂きました。

あくまでも私が教習した教習所でのデーターであることをご理解下さい。

 

大型 二輪 一 本橋とスラロームでパニック障害者の挑戦

運転免許の取得で問題になる病気に関しては、具体的な病名が『道路交通法施行令』第33のニの三に規定されています。

教習所へ入校する時に、免許取得の質問票にチェックを入れます。

申告をして診断書が必要になれば、患者さんは免許申請が2度手間になってしまう事や、診断書代金がよけいにかかってしまいます。

私の場合、診断書は1通3000円でした。

しかし、現在の法律では、虚偽の申告がバレると、1カ月以下の懲役または30万以下の罰金が課せられます。

また、事故をおこした場合申請を正しく行っていなければ、裁判官の心証は間違いなく悪いものになります。

申請は正直に申請したほうがいいと思います。

 

パニック障害の場合、教習所に提出する書類

免許取得の質問票にチェックを入れた後に、まず運転免許センターの運転免許課安全運転相談係に相談をするように促されました。

かかりつけ医の承諾と診断書が必要であることを知り、主治医の承諾を得て、診断書を書いてもらい、診断書を持って運転免許課安全運転相談係の方に相談をして承諾を頂きました。

相談終了書は1週間後に転送され、その終了書「安全運転相談修了書」を持って再度教習所に申し込み、教習を承諾して頂き、入校することが出来ました。

下の表が、「安全運転相談修了書」です。

安全運転相談修了書

(安全運転相談修了書)

 

パニック障害で不安発作を抑える抗不安薬

私の場合、予期不安を感じた時に服用するように主治医から頓服剤を頂いていたので不安を感じた時には服用していました。

服用も水で飲むのではなく、舌の上に乗せ舐めるとすぐ効くと医師に教えられていたので、舌にのせて舐めていました。

この抗不安薬は、緊張している時には問題がないのですが、緊張がほぐれると急に眠気がおそってくるので注意が必要な薬です。

予期不安が少ない時は、飴玉を舐めていました。

 

私の場合、安全運転相談修了書、あとは教習所の指示に従い、ヘルメット、ライディングブーツ(安全靴やハイカットはNG)、グローブ(革製の物をお勧め)、雨合羽、を用意しました。

バイク用品専門店へ行き、定員さんに申し込みの時に頂いた必要品の一覧を見せ、揃えてもらいました。格安の物を選んで頂いたのですが、合計金額6万3,250円(ポイント575PT)でした。改めてオートバイはお金のかかる嗜好品であることを実感しました。

 

パニック障害の、マイナス思考からの脱却

教習初日(12月15日9時30分)は雨の中、雨合羽を着ての教習でした。教習所の前を救急車が通りました。バイクの引き起こし方、操作の説明を終え、いきなりバイクを運転させられました。

入校数日前に生まれて初めて交通事故を目の当たりにした事、葬儀屋の葬儀場の看板に書かれた、亡き母と一文字違いの名前を見た事などが頭をよぎり、心が萎えました。

これだけのマイナス要因があると、以前の私は即、撤退していましたが、後向きの人生に区切りを付けるため、気持ちをリセットしました。

バイクの免許取得の場合、マイナス思考からの脱却が何よりも大切だと思いました。

私は、緊張が極限に達するとパニック発作がおきるので、緊張をやわらげるために毎回教習前に飴玉を1つなめていました。

 

教習第1段階

教習目標

・運転装置の動きを理解し、正しい手順で操作できるようにします。

・正しい運転姿勢で基礎的な走行ができるようにします。

・確実かつ円滑な運転操作ができるようにします。

・車両特性などに応じた基本的な走行ができるようにします。

第一段階は、主に車両を扱うための技術的な操作方法を学ぶ段階です。教習所での設定時間は14時間でしたが、私の場合、10時間オーバーしました。

14時間の中でシュミレーターによるシュミレーション(コンピュータ画面による操縦体験)が1時間、大型AT車両、普通車両の試乗体験が1時間含まれます。

シュミレータは画面を見つめるので、車酔いの様な現象が起こるので要注意です。気分が悪くなったら即、中止して頂けるので申し出しましょう。

一本橋、スラローム、S字カーブ、クランク、急制動、波状路などを走行する事で、運転技術を向上させます。

直線狭路コース(一本橋)の対策

直線狭路コース(一本橋)

(直線狭路コース)

幅30cm、高さ5cm、長さ15mの鉄板の橋を10秒以上で通過しなければ卒業検定時には減点になり、脱輪してしまえばその場で失格です。

私はこの一本橋が苦手で、落ちないで10秒以上乗り切ったのは2,3度でした。苦手意識を持ってしまうと後々まで苦労するコースです。トラウマにならない事が重要です。

対策としては、肩の力を抜き、脇を締めた状態で背筋を伸ばし上半身の力を抜きます。手元に力が入ると必ず脱輪します。

両ひざでしっかりとバイクを挟み込みます(両ひざに100万円の札束を挟み込むぐらいの気持ちが大切だと教わりました)。

5cmの段差を乗りきった後は、クラッチと後輪ブレーキ(前輪ブレーキをかけると必ず脱輪します)の操作で速度を調整し、前輪を微妙に左右に振り、前方を向いて運転します。目線が下がってしまうと必ず脱輪します。

YouTube動画で学習する事も大切だと教官に言われましたが、ほとんどのYouTube動画は上級者による指導なので、初心者の私には難しい内容であまり参考にはなりませんでした。

 

連続進路転換コース(スラローム)の対策

(連続進路転換コース)

立体障害物(コーン)の間隔(4.5m)を6回(27m)スラロームして7秒以内で通過しなければなりません。卒業検定では7秒を超えると減点になります。

コーンを倒した場合は失格となります。この7秒がなかなか出せませんでした。1本橋と同様、不得意とする人が多いコースです。

対策方法として、基本的に後ろブレーキのみで、2速状態でアクセルと後輪ブレーキで対応します。前輪ブレーキを使うと必ず転倒します。

7秒を切る方法として、最後のスラロームを抜けた時にアクセルをふかし、加速してゴールに突っ込めば、ほんのわずかですがタイムが縮まります。

 

教習第2段階

教習目的

・交通法規に従った正しい走行ができるようにします。

・交通状況についての情報を的確に読みとりながら快適な運転ができるようにします。

・二輪車の運転に伴う危険を予測した運転ができるようにします。

・二輪車の車両特性を理解し、余裕のある安全運転ができるようにします。

第2段階は、実際の路上運転での交通法規に乗っ取った運転ができるようにすることが目的です。私の場合は3時間オーバーしました。

 

パニック障害のコースの覚え方

第2段階では、A・Bの2つのコースを覚えさせられ、それぞれのコースで教習を行います。卒業検定では、当日にA・B以外のコースを示された地図をわたされ、そのコースを歩いて覚えます。

私ほこのコースの暗記が苦手で大変苦労しました。走行している時に注意されるとパニックになり、コースを忘れてしまいます。

A・Bそれぞれのコースを覚えるために地図を自作しました。教習所では地図をもらえなかったからです。

バイクの場合は自動車に比べ、ナビに頼る運転は難しいので、目的地までの道のりをしっかりと頭に叩き込まなければ安全運転が出来ないという理由でした。

教習生は掲示板に示してある地図を写メで撮って覚えるとのことでしたが、分かりにくい地図だったので私は自作しました。

グーグルの地図で教習所を検索し、地図をプリントアウトしたものをスキャナーで読み取り、そのデーターをフォトショップに画像として落とし込み、イラストレーターで境界を作り、地図を作りました。

その地図の上を何度も指でなぞりながら、それぞれのコースを覚えこみました。

お風呂やトイレに入っている時も目を閉じ、頭の中で何度も道順を繰り返し思い出していました。卒業検定の時も頂いたコースの地図を自分の地図に書き写し、覚え込みました。

手作りの教習所地図

(手作りの教習所地図)

バイクのクセに注意

教習所の大型二輪はホンダのGS750が2台ありました。この車種はホンダの大型二輪車の中で最もクセのないモデルであることを、後にバイク屋さんで教えてもらいました。

しかし、同じバイクでも少しずつクセがあるのです。クラッチの入り方や、ブレーキの効き方が微妙に違います。

クラッチの上に足を乗せるのが基本姿勢なのですが、1速で発進し、2速にチェンジするのですが、足を置いた瞬間にニュートラルにチェンジしてしまう車両がありました。

2速のつもりで加速するのですが、ニュートラルなので進みません。S字カーブに入って加速しようとアクセルを回しても進みません。

あわてて1速に戻した瞬間エンジンブレーキがかかり、転倒してしまいました。同じ車種のバイクでもそれぞれに微妙なクセがあるので注意が必要です。

教習所で使用されたオートバイ。ホンダCS750

(教習所で使用されていたホンダCS750)

パニック障害でも卒業検定で合格する方法

卒業検定に行きつくまでに、まずそれぞれの段階で教官のみきわめがあります。そのみきわめに合格しなければ次の段階に進む事が出来ません。

第1段階から第2段階へ、そして卒業検定試験。それぞれに教官のみきわめがあります

 

大型自動二輪での卒業検定の不合格要素

・集合時間の遅刻は失格です

・速度指定区間(時速40km/h)に達していない場合はやり直しです。

・直線狭路コース(一本橋)は10秒以上で走行する事。走行時間が足りない場合は減点。脱輪はその場で失格です

・連続進路転換コース(スラローム)は7秒以下で走行すること。超過時間は減点。ポールを倒した場合はさらに減点です。

・波状路コースは立ち姿勢で走行し、5秒以上で走行すること。脱輪、足つき、転倒はやり直しです。

・指定速度からの急停止(急制動)は40km/hまで加速し、指定の位置でブレーキをかけ、車輪をロックさせないで指定の位置で止まること(路面が濡れている場合は距離が延びます)。この検定が一番予期不安を感じました。

指定の速度、ブレーキ掛けの位置の不備はやり直し。指定の位置を超えて停止した場合は失格となります

・指定コースを間違えた場合は、教官の指示に従い間違えた場所から再度検定を開始します。コースが分からなくなった場合は、停止をして手をあげ教官を呼びます。いずれも減点はなしです。

教習所でのコース(急制動)

(急制動コース)

教習コース(波状路)

(波状路コース)

私の通った教習所の覚書の関係個所を抜粋します

・過去に無免許運転等違反経験のある方、免許停止・取り消し処分等受けたことのある方は必ずお申し出下さい。

・欠席及び教習進度等の状況により別途追加料金が必要になる場合があります。

教習開始より9カ月以内に教習を終了しない場合は、すべての教習実績が無効となります。また、第2段階終了後、3カ月以内に卒業検定に合格しないと、全教習が無効となります

・教習期限経過後に退校なされる場合、一切の払い戻しができなくなります

・転校(所)・自己都合による退所解約する場合、入学金・諸経費及び既に実施した教習料金の返金はいたしません。(別途事務手数料をいただきます。)退所手続き事務手数料:20,000円 転校手続き事務手数料:20,000円

・教習中に起きた事故等により死傷した場合、自動車賠償責任保険、教習所加入の総合補償保険に定める規定範囲内での賠償といたします。また、自己の不注意による交通事故、貴重品の紛失又は盗難事故は、自己責任とします。

・途中で車種変更された場合は、変更手数料として5,000円をいただきます。

身体等に障害のある方は、必ずお申し出てください。

・現在妊娠中の方は、必ずお申し出ください。

・死傷事故を起こした場合、教習所加入の総合補償保険で幾ら保証金が支払われるのか事務員に確認しておいた方がいいと思います。

・大型自動二輪教習の場合、心が折れて大型自動二輪から普通自動二輪に変更した場合5,000円支払わなければならないことを事務員に確認しておいた方がいいと思います。

・教習所によって違いがあると思いますが、教習開始より9カ月以内に教習を終了しない場合また、第2段階終了後、3カ月以内に卒業検定に合格しないと、全教習が無効となるので、パニック障害やうつ病で休校する場合は注意が必要です。

 

大型 二輪 一 本橋とスラロームでパニック障害者の挑戦のまとめ

・大型 二輪 一 本橋とスラロームでパニック障害者の挑戦

・パニック障害の場合、教習所に提出する書類

・パニック障害で不安発作を抑える抗不安薬

・パニック障害の、マイナス思考からの脱却

・教習第1段階

・直線狭路コース(一本橋)の対策

・連続進路転換コース(スラローム)

・教習第2段階

・パニック障害のコースの覚え方

・バイクのクセに注意

・パニック障害でも卒業検定で合格する方法

・大型自動二輪での卒業検定の不合格要素

・私の通った教習所の覚書の関係個所を抜粋します

・パニック障害で不安発作を抑える抗不安薬を飲んで大型バイク免許取得のまとめ

今回、パニック障害である私の大型自動二輪教習での経験を記載させて頂きました。少しでも参考にしていただければ幸いです。

それから、パニック障害について興味のある方は私がアマゾンキンドルで出版した電子書籍「パニック障害でも定年退職」を一読して頂けるとパニック障害についての理解がより深まると思います。

 

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